前庭(メインガーデン)の開発
【Before】
《前庭は、何もしなくても毎年3月になると菜の花が自生して、なごみました。》
この菜の花が咲いている、玄関の前から大階段を下りた右側は、Highfieldの前庭、メインガーデンです。ここは畑にしようかと当初考えていました。しかし、そのやり方が決まらず、開発が始まって以来2年間、ほぼ手つかずのままになっていました。以前、この土地をアロットメントとして畑を作っていたご近所の方に貸すことも考えましたが、その場合、自由に作っていただく形にした方がいいだろうと思えたので、少し躊躇がありました。自分たちも加わっての畑作りであれば、大丈夫と思いましたが、すると今度は相手の方に不自由で、面白くないであろうと思われました。
それにそのご近所の方ですが、Highfieldのある丘から一本道をはさんで南側に位置する、小弓城跡のある丘に、すでに広い畑を借りられていました。小弓城跡地は、広く開けた気持ちの良い丘で、多くの方々がアロットメントを持ち、畑を作っています。私たちのお気に入りの散歩道でもあり、散歩の途中で、彼が立派に畑を作っているのを拝見し、会話も交わし、おいしいジャガイモなどもいただきました。小弓城跡はHighfieldから500メートルほど離れているだけですが、畑作道具を運ぶのには、車で行く必要があります。それでも、そこで借主として自由に畑作されているご様子は、自信に満ちて、とても幸せそうでした。不自由な我が家の前庭よりずっとよさそうです。
《小弓城跡のふもとにある畑です。まさに里山です。奥の古民家までの道を初めて見たときは、どきっとするほどのなつかしさを感じました。》
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となると、我が家のメインガーデンである前庭は、他の人の力を借りて耕作するのでなく、3K Wiffyの手におえる形のガーデンに作りあげる必要が出てきました。しかしそこは最後の未踏地帯と言っても過言ではない場所でした。春だけは、上の写真のように菜の花が咲いたり、下の写真のようにポピーやカタバミが咲いて可愛いですが、夏は、ただただ延々草抜きをする場所、秋や冬は、何もない場所でした。
【Before】
これは2020年春の前庭の様子です。黄色いカタバミの中にポピーが咲いていました。
これは2021年春の前庭の様子です。ポピーがカタバミを駆逐してはびこっていました。
春が終わると、以下のように何もないところに、良い土を取りよけておいたマウンドがあるだけになっていました。
この良い土は、芝を植えたり、畑をしたりするために、わざわざ取りよけたものですが、芝はこれ以上植える予定はなく、畑にもしないことになったので、逆に邪魔になってきました。これがあると自由に庭のデザインが出来ません。
《庭のデザイン》
が、ある日、ネットでアイデアを探していた3K Wiffyは以下のようなフランス式のポタジェ(キッチンガーデン)のデザインを2つ見つけ、大いに気に入り、更に天啓を受けたように、いいことも思いつきました。
円の真ん中の部分にマウンドを持ってくることです。
このデザインを前庭の寸法に当てはめて、マウンドの大きさを計算すると、最大でも直径3mくらいまでにおさめないと、バランスが悪くなってしまうことがわかりました。その時点で、マウンドの直径は4m以上ありました。土を減らすにはどうしたらよいか、考えた末、少しどこかに移動させることにしました。
【移動先1:小屋の裏】
小屋と隣家に挟まれた小屋の裏側は、日光の当たる時間が短い場所になっていて、どう庭を作っていくか困っていた場所でした。半日陰を好む植物しか育たなさそうだからです。が、このマウンドの土を移動させる場所としては最適でした。しかも、ただの移動場所にするのでは能がないので、その土で築山を作ることにしました。
ひょうたんっぽい形の築山を作り、比較的半日陰でもよく育つセダムを庭の他の場所から移植しました。コケだと育てるのが難しいですが、セダムなら簡単です。よく繁殖するので、いずれきれいに築山全体をカバーしてくれることでしょう。
【移動先2:モミジの道のほとり】
「チグリスの流れ」のほとりに植えたモミジの周りには、下の写真のように土を盛って起伏をつけて、セダムで覆っていました。芝生またはコケに見立てたものですが、和風でもなく洋風でもない、独特のよい感じを出してくれています。この作り方、なかなかうまくいったので、ここにマウンドの土を移動して、もっと沢山の起伏を作ることにしました。
下の写真が起伏を増やしたばかりの状態の時です。小屋の前にはユリオプスデージーを3本植えていますが、それが育つのを待つまで、何もなく寂しい感じだったので、そこにも起伏を作りました。
《瀬戸の島々》
これらの起伏をみていると、3K Wiffyは彼女の原風景である瀬戸内海の島々をなんとなく思い出しました。庭のそれぞれの場所に名前をつけるのは面白いので、ここを「瀬戸の島々」と呼ぶことにしました。子供の時は嫌いだったふるさとですが、年を取ると若い時には理解できなかった良さに気が付きます。ふるさとに親しみが湧いてきて、懐かしさと誇りを感じるようになるのは、年齢を重ねたことへの贈り物みたいなものだなと思っています。
その後「瀬戸の島々」も徐々に各種セダムで覆って行きました。『瀬戸は ♪、日暮れて ♪、夕波小波~ (^^♪ 』と歌いながら、庭中のいろんな場所で増殖していたセダムを集めて移植するのは、楽しい作業でした。
《メインガーデン》
さて、マウンドも大分こじんまりしてきたので、いよいよメインガーデンに取り掛かります。まず、Kインズさんで園路になるレンガと砂利を購入して運んでもらいました。上の写真の西庭の園路のレンガと砂利はKメリさんで購入しましたが、商品は大変リーズナブルなのですが、思ったより配送料が高かったのが、車がなく他に運搬手段のない3K Wiffyには困りどころでした。S我のS旗という場所にあったKインズが閉店したから仕方がないと思っていたのですが、その後少し離れたG井駅の近くに大きなKインズがあるのに気づきました。そこからでもHighfieldのあるC市C央区は配達範囲なると確認して、注文に行きました。S旗のKインズのように「1万円以上の購入で配送料無料」とはいきませんでしたが、いくら運んでもらっても1回3000円というとても安い運送料でした。レンガと砂利はレッカー車が運んできて、下の写真のようにパレットごと置いていきました。
まず、マウンドの周りに円形にレンガを置いて、レンガの長さ20㎝×個数÷3.14で直径を計算すると、3.5mほどありました。予定は3mだったので、まだちょっと大きいです。でも、もう他に土を移動出来る場所もないし、デザイン的にもなんとか収まりそうだったので、他の場所にもレンガを置いて、園路の場所を決めて行きました。
上の写真が予定のデザインにレンガを置いて、園路内部の草を抜き、土をならしたところです。マウンドはちょっと大き目ですが、ほぼ予定の形になりました。園路の幅は全て80㎝にしています。広すぎず狭すぎずちょうどよい感じです。
土ならしは苦労しました。元々この土地を造成した時につけておいてもらった傾斜を上手に生かして、水はけの問題を起こさないようにならす必要があります。上の写真だとわかりますが、道路側から手前に向かってなだらかな斜面になっています。が、元々の造成では左右の高さが大分アンバランスだったので、レンガを置く前に、左右の高さがそろうようならしました。かなり土が固い部分もあり、スコップ1つでならすのは、肩や腰が痛くなる作業でした。また、マウンドの土を減らしても、左右の高さ合わせでまた土が出て、その始末で、ひょうたん型の築山はどんどん大きくなってしまいました。
《雑草シート敷》
次に雑草シートを敷き詰めて、Uピンで留めていきます。直線部の園路の敷き詰めは楽でした。
円形部の園路はシートを斜めに切って、2-3mくらいづつ、互い違いに貼って、なるたけ無駄を出さないようにしました。作業の日は6月半ばだったのですが、まだ梅雨には入っていなくて、まださして暑くもない、気持ちの良い風が吹く日でした。でも、シートが風であおられるので、石を置いたり手で押さえたり、余分な時間がかかりました。
他にも、作業中にアリの巣を4カ所も見つけたので、それを退治するのにも余分な時間を使いました。園路にかかる部分にも巣があったので、そのままにしておくことは出来ませんでした。ちなみにアリは、上の写真のように、巣穴に熱湯を注ぐのが、一番良い退治方法です。
また、円形の部分では、真ん中のマウンドの土が園路に落ちてくるのをふせぐため、雑草シートの端を上の写真のように残して置きました。
敷き終わったところを、道路側から見たところです。道路からだと、まず園路が縦に小屋に向かって1本通っていて、マウンドを迂回してそれをつなぐように円形の園路があり、更に左右に枝分かれの園路が伸びて、他の園路ともつながっているように見えます。予定のデザインに近いものが出来ました。道行く人からは「おー❤」の賛辞をいただきました。
園路の鳥観図です。
傾斜のある場所では、雑草シートは傾斜の上側のシートが下側に被さるように設置する必要があります。これを守らないと、後で砂利を敷いたときに、砂利がシートとシートの合間に入ってしまいます。すべてそうなってるのを確認後、Uピンで留めて行きました。
《パティオの増築》
鳥観図を見ると気づきますが、当初、小屋の前のパティオのラインがまっすぐで、このポタジェの円形の園路やモミジの園路の曲線とは合っていません。また少しパティオとしては面積が小さい感じもします。それで、パティオの前のラインも曲線にして、少し大きく広げることにしました。パティオは少し土を盛って高くしてあったので、増築部分にもマウンドから土を移して盛って、雑草シートを貼りました。
パティオのビフォアアフターです。「瀬戸の島々」もセダムで覆われてきています。作業の合間合間、特に雨の日の前日に移植しました。セダムの着きがよくなるからです。
《砂利敷》
以下は砂利を敷いて完成したところです。
まず、道路からみたところです。近接して撮った写真だと特にマウンドが目立ってしまいますが、実際はそれほどでもありません。
小屋前のパティオから見たところです。実際の広がりがわかるでしょうか?
Highfieldの角っこから見た園路のつながりです。
南側の柿の木の園路からみたところです。Gaijinsanが嬉しそうに園路を歩いています。Gaijinsanとの比較でマウンドの大きさや園路の幅の適切さ、前庭全体とのバランスがわかります。
大階段の上から見た前庭の様子です。
家のベランダから見た様子です。パティオと円形園路のバランスがきれいです。
《ご近所の反応》
散歩に通るご近所の方からは、
「私らみたいな田舎もんには、この庭は思いつかんわ。」
「なんか夢を見させてもらえるいう感じなんよね。次はどうするんか楽しみです。」
「お盆の上に箱庭を作る、いうのがあるけど、それの原寸大みたいなデザインですね。グッドですよ。」
「こりゃ庭師でないと出来ないような庭だわ。こんな仕事してたわけじゃないよね?すごいわ。」
「これ最初からこうしようと計画しとったん?全体がすごいいいように収まっとるわ。絵になるわ。」
と、絶賛されています。^_^v
これまで前庭は草抜きが大変だったので、草抜きが楽な庭にしようというのが、最初の1歩でした。園路の部分に加えて、築山や、モミジの園路に増えた起伏《瀬戸の島々》など、草抜きを必要とする部分が減って3K Wiffyも嬉しいです。
《パレットのデッキ》
もう一つ、開発の過程で、3K Wiffyには更なる開発のアイデアが浮かんでいました。レンガと砂利を運んでもらった廃材のパレット、そのまま置いておくと景観を損ねるし、捨てるとなると分解しなければなりません。分解はかなり大変な作業ですし、まだ強度のしっかりしたパレットなのでもったいない気もしました。思いついて、ペンキを塗って、ウッドデッキにすることにしました。
色は、白かモスグリーンかで悩んで、白にしました。正解だった気がします。
水性ペンキ、2度塗りしたら、なかなかきれいになりました。内側は1番手前の板だけ塗っていて、底になる反対側は塗っていません。
簡単ウッドデッキの出来上がりです。デッキの下には、防草シートを敷いてあります。土の上に直接置くより、虫の被害や木の腐食は防げると思います。これで、草抜きの必要な面積も更に減りました。
ペンキ代が1500円ほどかかっただけのチープなデッキですが、なかなかに見えます。夏の午後、この場所は小屋の日陰になるので、アウトドア用の折り畳みチェアを出して、道行く人に「ほーっ!いいですねぇ。」と言われながら、草取りの合間に涼むのもよさそうです。^_^v
前庭のポタジェにもペチュニアやミントのポットを置き色どりを添え、モミジの園路に密生していたハツユキソウや大葉、紫蘇を移植しました。夜の景観のために、ソーラーガーデンライトも設置しました。
【After】
園路があると、なかった時に比べて、より広々とした感じがします。
2階の窓から見た前庭です。奥に西庭が見えます。こっちはかなりグリーンに覆われてきています。ポタジェの前庭も今後、植栽に力を入れて行きます。
【前庭の造成にかかった費用】
・雑草シート(ザバーン 125BB 100㎝幅×50m) 12,800円 の30m分→7,680円
・雑草シート押さえピン(Uピン 100本) 2,278円
・砂利(10㎏×40袋) 336円×40=13,440円
・縁ブロック(ベルギー製 yellow 150個) 90円×150=13,500円
・縁ブロック(ベルギー製 red 50個) 90円×50=4,500円
・レンガ・砂利搬送費 3,000円
・パレット塗装用ペンキ代・刷毛代 1,645円
・ソーラーガーデンライト 220円×7=1,540円
合計 47,583円
※大階段から小屋までの園路10mの費用30,261円、
西庭のモミジの園路10mの費用25,716円と合わせると、103,560円です。
ポタジェに移植した大葉も大分大きくなりました。薬味が必要な時、ちぎって使っています。ポタジェのある幸せも感じるし、買えば高い大葉をふんだんに使える醍醐味も感じています。
真夏、大葉が育った様子です。縁に生えた白い花はユーフォルビアです。